2021.12.23

コダマプロジェクト活動発表会
“街ミーティング2021”開催②

年に一度の「コダマプロジェクト活動発表会」。前回の記事にアップしたHP制作、生活雑貨チームの発表に続き、家具、建築、素材、体験チームの発表の様子をお届けします。

▲ 一般の方にもご参加いただいた発表会

コダマプロジェクト始動の際に、はじめに手掛けたのはコダマデスクでした。針葉樹を使った優しい手触りの勉強机は多くの人に愛され、コダマプロジェクトを象徴するアイテムとなりました。
その後、デスクのリニューアルやベッドを作るなど東白川村の針葉樹を使った試みが行われてきましたが、椅子だけはまだ商品化されていませんでした。

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村澤さん

今回はヒノキを使ってコダマプロジェクトの新たなシンボルとなるような椅子を作ってみようと思い、1年以上前から試行錯誤を繰り返してきました

と、デザインを担当する村澤さん。

実は、家具の中で一番ハードルが高いのが椅子。椅子作りを専業とする工場でない限り、なかなか難しいのだそう。

▲ ヒノキを何層にも重ねて削り出した背の部分

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村澤さん

まず、曲線が綺麗な椅子をイメージし、背もたれの部分は大きな木から削り出して身体に沿うような形にしてみてはどうだろうか、と試してきました

椅子の専業メーカーであれば、木を蒸して曲げるなどさまざまな加工ができますが、それは不可能。製作を担当する内木さんと試行錯誤の末にたどり着いたのが、木の塊を作る方法。

木を何層か重ねて塊を作っておいて、そこから帯鋸(おびのこ)という機械で削り取っていくという方法にしました

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内木さん

▲ デザインを担当した村澤さん(左)と、製作担当の内木さん(右)

村澤さんによると、それは非常に難しい作業なのだそう。どれだけ削り取るのか、バランスよく仕上げるのは職人のなせる業。たっぷりとしたヒノキの質感を感じられる背もたれとなりました。
ただ、ハードルはそれだけではないようで…。

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村澤さん

椅子には強度試験というものがあります。椅子を完成させた後、法的機関で破壊試験を行うんです。みなさんが座ったとき、安全かどうかを調べるんですね。公的機関が定める条件をクリアできなければ商品化できないわけです

▲ 「椅子は後ろ姿の美しさも大切。足の断面にも工夫をしました」と話す村澤さん

どういう試験をするかというと、60kgの重りを座面に載せて、背中の部分を機械でつまみ、水平、垂直方向に負荷を加えるというもの。商品化するためには6000回、飲食店などで使用する場合は8000回、空港などで使用する場合は12000回をクリアしなくてはいけないそう。

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村澤さん

1回目の試験はクリアできず、自信満々で挑んだ2回目もダメでした。その時の状態がこちらです

▲ 無惨にもボロボロに壊れてしまった試作品

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村澤さん

本当は今日、完成品をお見せしたかったのですが残念です。どの部分がどうやって壊れたのかを検証して、今最終段階に入っているところです

たっぷりしたデザインではありますが、軽さはやはりヒノキならではの特徴。次回の実践会までに完成にこぎつけたいなと思っております

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内木さん

夏の実践会が楽しみです。

さて続いては、最近好調なコダマベースについて。
構造・外・内装材の木、合板、積層材は 全て「岐阜県東白川村産」を使用したコダマベース。東白川村で作って、トラックで運んで、駐車場一台分のスペースに設置できる、確認申請のいらない、動かせる小屋です。

▲ コダマベースの建築を担当する牧野さん

発表は建築チームを率いる牧野さん。先日は山梨県の河口湖周辺に、10月には山中湖の辺りに納品してきたそうです。

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牧野さん

コダマベースのいいところは、工場で製作した小屋をトラックで持って行って、現場でポンと設置できるところです。現場作業が少ないので施工時間も短いところがメリット。河口湖のお客様は、アウトドアの拠点として使いたいということで注文いただきました。家族みんなでワクワクして待っていてくださったのが印象的でした

コダマベースを置くための土台の基礎工事は、少し大変な場面もあったそうですが、基本的にどこにでも設置できるというのが魅力。

▲ 東白川村の木材をふんだんに使ったコダマベース

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牧野さん

外壁も全部板張り。経年劣化もありますが、自分で手入れをしながら愛着を持って使い続けてもらえたらいいなと思っています

と牧野さん。
コロナ禍にあって問い合わせが増えているコダマベース。メディアにも注目されているようです。

東白川の素材をふんだんに使っている点や、プロジェクトの思い、ストーリーにも着目していただけているようで、雑誌などから掲載の問い合わせが増えています

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山田さん

▲ 別荘や自分だけの趣味の部屋としての需要も高まりそう。今後の反響が楽しみ」と話す山田さん

掲載いただいたのは、建築雑誌「Lives」、ライフマガジン「OCEANS WEB」、情報サイト「@DIME」。最新のトレンドを紹介する各メディアの紹介で、これからの反響が楽しみです。

続いては初登場の小栗さん。コダマキッチンの開発について発表がありました。中津川を拠点に浴槽やシステムバスなどを企画販売している小栗さん。コダマの水回り商品としてキッチンを手掛けることになりました。

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小栗さん

今回考えたのは十字型のクロスキッチン。フレキシブルに形を変えられる自由で楽しいキッチンです。使いたいとき、使いたい場所で使いたい形に変形させることができます

▲ 遊び心のあるキッチンを提案する小栗さん

給排水部分は固定し、キャスター付きのキッチンテーブルを自由に動かして使えるというアイデア。建築チームとタッグを組んで今後形にしていくそうなので、こちらも期待が高まります。

体験チームからは村雲さんが登壇。

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村雲さん

コダマデスクを購入してくださった方に参加していただいているコダマの冒険旅行ですが、次回は3月26日、27日に開催が決定しました。現時点で2組ほどの参加が決まっております。ログハウス風のコテージで田舎体験をしてもらいながら、家族で山を楽しんでもらう機会になったらいいなと考えています

とのこと。

▲ 森林インストラクターとして活動する村雲さん。冒険旅行のナビゲーター役です

コダマデスクの産地をめぐる冒険旅行。今年もにぎやかに開催されることを願っています。

素材チームからは、東白川さんのお茶を使ったオイル塗料の試作品が発表されました。

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内木さん

紅花油と蜜ろうを溶かして、100℃くらいになったらお茶の葉を入れます。固まらないうちに網のようなもので濾して作ったのがこちらのオイルです

▲ 今回参加できなかったメンバーの福田さんと内木さんで開発しているオイル

コダマの木工商品に使用するためのものですが、今後さらに検証と改良を重ねていくようです。

最後に、番外編としてメンバーの田口さんが始めた森林レンタルサービス「Forenta(フォレンタ)」についても紹介がありました。

「Forenta」は、約300坪を1区画としてキャンパーたちに年間6万円で貸し出すというサービス。山の遊休地を活用するために生まれたアイデアです。2020年の11月に第1期の募集をスタートさせたところ、応募が殺到したそう。

▲ 「Forenta」が注目されテレビやラジオに引っ張りだこの田口さん

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田口さん

最初は17区画でしたが、今は57区画ほど貸し出しています。2021年12月から静岡でもフランチャイズ展開を始めました。今後は全国に広げていきたいと思っています

予約不要の自分だけのキャンプ場を持てるなんてキャンパーにとっては夢のようですね。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

さて、みなさんの発表が終わり最後は懇親会。
お子様連れの参加者様も一緒に食事やおしゃべりを楽しみました。

▲ 東白川村の朴葉寿司。いくつでも食べられるんですよね~。愛子さんお手製のサラダや玄米おにぎりも堪能しました

▲ 山盛りの手作り五平餅。みんなでペロッと平らげました

▲ 豪華景品を賭けてのジャンケン真剣勝負!

コダマプロジェクトの2021年、いかがでしたでしょうか。

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水野さん

2022年はグッドデザイン賞とウッドデザイン賞を狙います!

とリーダーの水野さん。

▲ コダマプロジェクトを取り仕切る水野さん。お疲れ様でした!

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まつおさん

プロジェクトの商品だけでなく、活動そのものを評価してもらうため、2022年もメンバー全員、力を合わせて突き進んでいきたいと思います。

冒頭でも書きましたが、今回の発表会は一般の方が参加してくださったのが何よりも大きな成果だったと思います。
2022年の発表会にもたくさんの方に来ていただけるよう、一同邁進していきます!

▲ 上流の山と下流のまち。メンバーが揃うのは貴重な機会。みなさまお疲れ様でした!

(文:まつおまいこ)

コダマプロジェクト活動報告会(2021年)

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