2024.10.13

日帰り森林体験「コダマフォレストキャラバン」始動!②

「食」と「森林」と「木工」をテーマにした
日帰り森林体験ツアー「コダマフォレストキャラバン」。午前の部の内容をおさらいしてみると

といった感じでした。

ニワトリを抱っこしたり、たまごを収穫したり、山の風景のなかのんびりお散歩をしてすごしたり。昼食にはレモン色のたまごや山の野菜、麹のおかずに自分で焼いたアユでおなかは大満足です。

午後からは森に入っての森林体験!

という流れで、体験していきます。

④ 森林リトリートで心に静けさを取り戻す

向かったのは、村の林業を象徴する母樹林公園。ヒノキ、サワラなど木曽五木と呼ばれる銘木が育つ森です。

▲ 公園の入り口に立つ立派な杉の木に挨拶をしてから森へ入ります

不思議です。森に入ったとたん、スッと空気が変わるのを感じます。
森の入り口ではちょっとしたゲームにチャレンジ。森林インストラクターの資格を持つ村雲隊長からクイズの出題です。

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村雲さん

さぁ、このなかに森にはないはずのものが隠されています。いくつ見つけられますか?

あらかじめ隊長が仕込んでおいた“森にはないはずのもの”をみんなじっと目を凝らして探します。これは、目線を変えてみると見え方が違ってくるよということを体感するためのゲーム。

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村雲さん

角度を変えてみる、距離を変えてみる、そうやっていつもと違う見方をすると見つけられるものがありますよね

こういうクイズは子どものほうが得意な様子。
“森にないはずのもの”を全部見つけることができました。

次は、森を散策し少し小高くなってきたあたりで「森のリトリート体験」に入ります。リトリートとは英語で“休息”をあらわす言葉。せわしない毎日からちょっと解放されてみようという試みです。

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水野さん

まず目をゆるませましょう。広角で見るようなイメージで。ぼんやりと森全体に視線をゆっくりうつし、ゆっくりと呼吸します

▲ 遠くをぼんやり見るための準備。まずは意識的に視野を広げます

リーダー水野さんのガイドに合わせて、目の筋肉をリラックスさせます。目の動きや呼吸など、意識的にスローダウン。広い視野で森を見渡します。
そして森との対話。ゆっくりと周囲を歩きながら、自分の心にフィットする場所を探します。心が落ち着く場所を見つけたらそこで5分間、目を閉じて瞑想。深く息を吸って森のエネルギーを体に巡らせます。

瞑想自体はたった5分でしたが、いい時間だったなと感じることができました。

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水野さん

リラックスしたいときは、森でのこの5分間を思い出してください。心をほぐす方法の1つとして、持って帰ってもらいたい体験です

森には人の暮らしとは違う時間が流れています。車社会になり新幹線や飛行機、宅配便もスピードが要求される社会。私たちは、もしかしたら心が疲弊していることにも気づけないでいるかもしれません。
自分時間に戻るため、心の静けさを取り戻す方法として、森でのリトリートをいつでも心の中に思い描けたらいいですよね。

Picks !  森に行くと
なぜリラックスできるの?

森の中にいるとゆったりした気持ちになれるのはなぜなんでしょうか。
森林浴のリラックス効果や予防医学的効果を研究している千葉大学名誉教授・医学博士の宮崎良文(みやざき よしふみ)さんのインタビュー記事によると

「人は自然環境の下で進化し、自然に対応するように作られているため、自然に触れるとリラックスするのです」と書かれています。

長い歴史のなかで自然に守られて暮らしてきたのが人間。自然から離れて都市に暮らす私たちが森に入ったとき、「ホッとする」「本来の自分を取り戻せる」といった感覚を抱くのは、遺伝子レベルで心地よさを感じているからなんですね。

心理的効果だけでなく、身体的にもその影響は大きいとか。宮崎博士らの研究によって、科学的根拠をもって森林の効果が明らかになっています。

  • ストレス時に高まる交感神経活動の低下
  • リラックス時に高まる副交感神経活動の上昇
  • 脈拍数の低下
  • 血圧の低下
  • コルチゾール(ストレスホルモンの一種)濃度の低下
  • 脳前頭前野活動の鎮静化

森林を散策することで、血圧を正常値に向かわせる「生体調整効果」があることもわかったといいます。

遺伝子レベルでは自然と同調したいのに、それがなかなかできないのが現代人。ストレスにさらされているのは大人も子どももきっと同じですよね。

<参考・引用元>
政府広報オンライン
「VOL.192 MAY 2024
JAPAN’S HEALING FORESTS (PART 1)人はなぜ、森へ行くとリラックスするのか。」

https://www.gov-online.go.jp/hlj/ja/may_2024/may_2024-00.html

⑤ 森を守るための間伐を体験してみよう

間伐とは、森林の密度を調整するために木を間引くことをいいます。樹木が成長して過密状態になると1本ずつが痩せていくだけでなく、地表に光が差さないため地面に栄養が貯えられなくなります。地面に栄養が行き届かないと木の根が育たず、大雨のときなど土砂崩れになるおそれも。森を健全に保つことは私たちの生活を守ることと直結しているんですね。

村では森林組合などが間伐をして、適切な管理を行っています。「コダマフォレストキャラバン」では、特別に間伐を体験させてもらえることになりました。

直径10cmくらいのヒノキを参加者が交代でノコギリをいれます。

伐れた!

伐った丸太を輪切りにして、みんなでシェア。「切り口がピンク!」「濡れてる感じがする」。木の内側はこんなにみずみずしいんだ!と驚かされます。

▲ 外皮もすんなりはがすことができました。しっとりを水気を含んでいるのが写真からも伝わるでしょうか

みんなで丸太を輪切りにしてお持ち帰り!家でも楽しい想い出話ができそうですね。

⑥ 大迫力! 製材工場に潜入

次に向かったのは、東白川村森林組合の工場。普段一般の人が入ることはできない製材工場に入らせていただきました。先ほど、自分たちで間伐したサイズとは比べ物にならないほどの大きな丸太が機械でどんどん製材されていきます。

見たことのない大型機械が並んでいて、木の皮をスルスルッとはがしていきます。きれいな丸太がゴロゴロと転がって、別の機械へと運ばれていきます。

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村雲さん

東白川産のヒノキは二度挽きしています。いったん製材したあと、乾燥がすすんでから再度製材することで精度の高い材ができるんですよ

森の木がどんな工程で家や家具になるのかを知らなかったり、知ってはいても見たことがなかったりする人が多いのではないでしょうか。大きな機械が木材を運んでいく様子や、ドーンと積み上げられた製材を前に、みなさん真剣なまなざしで見学していました。

▲ 大きな機械で丸太を寸法通り切っていく作業。迫力あります!

⑦ 東白川村のヒノキで木工ワークショップ

いよいよ最後のプログラムです
東濃ヒノキを使った木工ワークショップ。スマホスタンドやペンスタンドなどみんなで作ります。あらかじめカットしてある丸太を加工するので、小さなお子さんでもチャレンジしていただけます。

木とふれあった体験を家に帰っても思い出してほしい、そんな想いも込められたワークショップ。サンドペーパーをかけているときは、みんな集中力がすごい!黙々と作業をして仕上げていきます。

▲ 親子参加してくださった川端さんご一家。いい笑顔!ありがとうございました!

朝からの盛りだくさんの体験を振り返りつつ、最後は村雲隊長より、「コダマフォレストキャラバン」隊員認定式で締めくくります。

中秋の名月9/17に開催した「コダマフォレストキャラバン」。この日は思ったより残暑が厳しく汗をかきながらの体験会となりましたが、最後まで楽しんでくださったようで何よりです。最後にみなさんからいただいた感想もご紹介したいと思います。

  • 川の流れとか鳥のさえずりとか、まちでは聞くことができない音が聞こえてきてリラックスできた。
  • まちと比べると時間の流れが違うように感じた。
  • たくさんのプログラムが用意されていて、日帰りなのに2日間くらいいたような気がする。
  • 子どもを連れて参加できるのがうれしかった。

ほかにも、「小食の子どももいるのでビュッフェ形式にしてみるのはどうか」、「デザートのレシピを配って、家に帰って実践してもらうことで、山で過ごした時間を思い出せるようにしてみてはどうか」といった意見もありました。

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水野さん

ご意見をふまえ、2025年の本格始動までにさらにブラッシュアップしてみなさまに楽しい森林体験をしてもらいたいと考えています!

山と森の魅力をギュッと詰め込んだ「コダマフォレストキャラバン」。ここから、森のこと木のこと、自分たちの暮らしのことを考えてもらえたらうれしいです。
本当の豊かさとは何か—。
きっとそれぞれに何か感じることがあると思います。

日帰り森林体験
「コダマフォレストキャラバン2025」に
参加する!

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