2024.01.17

コダマプロジェクト活動発表会
“街ミーティング2023”開催

2023年12月16日、年に一度の活動発表会が開催されました。プロジェクトがスタートしてから9年目となった今年は、これまで手がけてきたプロダクトに加え、革新的な新作の発表など盛りだくさんな内容となりました。

毎年恒例となった活動発表会。
家具、建築、素材、体験チームの一年間の活動を振り返る総括の場です。
プロジェクトの活動もスタートから9年を経て、たくさんの方に知っていただけるようになりました。メンバーだけでなく、さまざまな業種の方、活動に興味をもってくださった一般の参加者の方々が集まり、にぎやかな会となりました。

新プロダクト
「Wood tub(ウッドタブ)」

発表のトップバッターは村澤さんと小栗さん。新プロダクト「Wood tub(ウッドタブ)」の試作品がお披露目されました。

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村澤さん

開発の発端としては“器”というものの可能性を広げたいという想いからでした

岐阜県中津川市で木製浴槽を制作する「檜創建」の小栗さんと村澤さんの協働で1年かけて製作に取り掛かりました。創業以来、木曽檜など国産の木を使い、天然素材の良さを追求してきた「檜創建」ならではのこだわりが凝縮された革新的なプロダクトです。

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小栗さん

まず、檜を使ったモノとしてどんな需要があるかを考えました。今は少子化の時代でありSDGsが推進されています。
そんな時代背景を踏まえて、小さな浴槽「Wood tub」を作ってみました

登場した試作品は丸型と八角型の2種類。
天然素材ならではの柔らかい色合いと手触り、そしてなんといっても美しい仕上がりが目を引きます。

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村澤さん

ずっと使い続けられる“道具”としてデザインしました。檜風呂のファンは多いけれど、欲しくても手に入れられないという人も多いはず。そこでこのサイズです。
子どもが生まれたお宅に出産祝いとして贈るにもいいですよね。赤ちゃんの沐浴用として、そしてちょっと大きくなったら水遊び用にも使えます。高齢の親がいる世帯には足湯の桶として使ってもらうこともできる。そういった“持ち帰れるお風呂”を作りたいと思って考えたのがこの商品なんです

大きすぎず小さすぎない絶妙なサイズ感の「Wood tub」。そこにはたくさんの工夫がつまっています。
まず、桶についているはずの「タガ」がないという点。通常の桶は、水圧に耐えるため「タガ」が外側に巻かれているのが一般的ですが、「Wood tub」は何も巻かれていません。

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小栗さん

美しいデザインに仕上げるため、つなぎ目や仕口を見せないように仕上げる点が一番気を使い、苦労したところです

▲ つなぎ目の見えない美しいフォルム

長年、木製風呂を手がけてきた「檜創建」だからできる独自の技術が駆使されているとのこと。
天然素材の活用によりSDGsへの貢献もでき、中津川産の東濃檜を使うことで地域連携の取組みにもなる「Wood tub」。試作品に改良を加えながら実用化を目指すとのことで、今後が楽しみです。

▲ 日常的に使える「Wood tub」で“お風呂の新しい価値”を提案していきます

「コダマカーゴ」、「コダマベース」の
イベント出展

コロナ禍を経て、今年は各地でたくさんのイベントが復活しましたね。コダマプロジェクトのメンバーもこの1年、さまざまなイベントに出展してきました。

まずは、岐阜県中津川市付知町で行われた「つけち・もりの市」。林業と木工が盛んな付知町で、完成したての「コダマカーゴ」をお披露目しました。

「コダマカーゴ」とは、岐阜県産の東濃檜をふんだんに使った木製のトレーラーハウスのこと。けん引免許なしでさまざまなところへ連れていける日本初の木製トレーラーです。
開催地の付知町はコダマプロジェクトで木工を手がける内木さんの地元。

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内木さん

まず、コダマプロジェクトの取組みを地元の人に知ってもらえたのがよかったなと思います。『コダマカーゴ』のような画期的な商品を発明する人たちが付知町に来てくれるというのは、町にとっての意識改革や刺激にもなりますし、主催者の方にも大変喜んでもらえて大盛況でした

また、コダマプロジェクトの山の拠点、岐阜県東加茂郡白川村で開催された「つちのこフェスタ」では「コダマベース」を出展しました。東白川村在住のメンバーであり「つちのこフェスタ」の運営にも携わる村雲さんからの報告です。

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村雲さん

つちのこフェスタのような一大イベントの開催は4年ぶり。4年前は人口2,000人の村に4,000人の来場者が集まるという人気ぶりで一部混乱が生じましたが、今回はそれをふまえ、予約制を導入。スムーズに運営できたかなと感じています。幻の生き物“つちのこ”を探すというメインイベントを軸に、田舎の一日を満喫してもらえるイベントになりました

「コダマベース」は、構造や外・内装の木などすべて東白川村で育った東濃杉や東濃檜で作られています。木の香り漂う「コダマベース」ならではの空間を、たくさんのファミリーに体感してもらえるイベントとなりました。
地元の人たちに誇りに思ってもらえるようなモノづくりをしていくことも、コダマプロジェクトの使命のひとつ。これからも邁進していきます!

「つちのこフェスタ」は2024年5月3日に次回の開催が決まっています。自然を満喫できる山でのイベントも、さらに盛り上がりそうですね。

▲ 東白川村の特産「桃太郎」をつかったトマトジュース「とまとのまんま」の販売も大好評!

「コダマカーゴ」が
日本最大級のアウトドアの祭典へ

発表以来、アウトドア雑誌やインターネットなどでも取り上げられた「コダマカーゴ」が、日本最大のアウトドアの祭典「FIELDSTYLE」に進出!!

出展とトレーラーの制作に尽力してくださったマイティ―カーズの柳田さんは
「来場者から『かわいい』とか『欲しいな~』という言葉が聞こえてきたのが嬉しかったです。できあがったトレーラーを一般の来場者に見てもらったのがはじめてだったので、手ごたえや実感がわいてきました」と話していました。

▲ マイティカーズの柳田さん

「コダマカーゴ」は軽量で移動ができるだけでなく、好みやニーズに合わせてレイアウトの変更が可能。デザインも自由度が高いのでユーザーの個性を表現できるアイテムとしても注目度が増しています。

動くサウナ
「コダマカーゴ・サウナタイプ」も登場

そんな「コダマカーゴ」に、今年サウナタイプも登場しました。動くサウナです!
天井、床、壁に断熱材を施した「コダマカーゴ」だからできる大人の遊び心を満たすアイテム。デザインを手がけたのは山田さんです。

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山田さん

女性にもいいなと思ってもらえるようなデザインに仕上げてみました。ポイントは後ろのR。ポルシェとかビートルは後部がちょっと下がっているんですけど、そういった車にも似合うようにデザインしました

通常の「コダマカーゴ」に煙突を付け、薪窯の準備をすれば約30分で高温サウナが楽しめます。川や海へ運んでサウナを楽しんだら、そのまま水の中へ! 大自然に囲まれてサウナと外気浴が楽しめるなんて、とても魅力的ですよね。

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山田さん

最近のサウナブームはもはや文化といってもいいと思います。外で楽しむアイテムとしてテントサウナも増えてきましたが、実は設営が大変という話を聞きます。それだったら『コダマカーゴ』に薪ストーブを置けばやれるんじゃない?という発想から生まれたのがこのサウナタイプ。もともと断熱材が施されているので、テントよりも熱がたまりやすくサウナに向いている構造なんです

完成後、メンバーで実際に河原に運んで試してみた動画がこちら。

手軽に設営できる「コダマカーゴ・サウナタイプ」。今後の展開が楽しみです。

8棟の販売実績をあげた「コダマベース」

さて、そんな「コダマカーゴ」の元となっているのが「コダマベース」。販売開始から5年目にして今年は8棟が実売というすばらしい実績となりました。

コダマプロジェクトの拠点である愛知県以外にも、宮城県、山形県、遠くは鹿児島県からオーダーいただきました。
「コダマベース」は“動かせる小屋”。駐車場一台分のスペースに設置でき、確認申請も不要で固定資産税がかからないという点が購入の決め手になっているようです。

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牧野さん

今回納品した例では、陶芸作家さんのアトリエ、鍼灸院の別棟、お父さん用の離れ、コーヒーの焙煎所としてなど、用途はさまざまでした。春日井市のお宅では、道路から入れることができなかったので、ラフタークレーンを使って家を一軒越して納品しました

と話すのは、「コダマベース」の建築を担当する牧野さん。今回のように住宅環境によってはイレギュラーな納品も可能。基本的には完成形をトラックで運んで設置するだけという簡単な作業で完了します。

タイニーハウスが定着してきた今、選択肢も広がっています。そんななかで「コダマべ―ス」が着実に実績を伸ばしていることに、メンバー一同喜びを感じた報告でした。

今回も、メンバーに加えたくさんの方が参加してくださいました。行政の方や車屋さん、金型屋さん、幼児教室を開業している方やポタージュ屋さん、庭師さんに仏師さんと、さまざまな職種の方が集まってゆるやかなつながりができた会でした。

2024年はプロジェクト開始から10年を迎える節目の年。どんな一年になるのか楽しみです。

(文:まつおまいこ)

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